あまりの眩しさに目がくらみ、思わず瞼を閉じた僕の耳元で、
「う~わ~……なんでこんなとこに来てるんですか?」
マリアさんが心底驚いたような声をあげた。
「なんで? じゃないですよ。あなたこそ何やってるんですか……見なさい、魔力の羽根を持たない癖に無茶な魔法なんか使うからボロボロじゃないですか」
溜息混じりに紡がれる声は、音楽のように清らかな響きを持っている。
眩しいのをこらえてゆっくり瞼を開き、見上げると……。
僕とマリアさんを見おろすように宙に浮く姿。
短い金色の巻き毛を揺らし、光を放つ真っ白な翼を持つ、それはそれは神々しいという言葉がぴったりな天使がゆっくりと僕らの側に降りてこようとしている。
その足が地につくと同時に、幾分光が和らいだ。

