どくどくと脈打つ痛みと共に、頭から何かが流れ出て行く。

 生暖かく首から肩へと……地面と接する部分に広がっていく感触。

 めいっぱい開いた目に映る風景がだんだん薄らいでいく――
 
 霧のようなモノで視界が覆われてしまう寸前。



「智彦」
 


 声が、聞こえた。

 そして……その瞬間。視界を横切った。
 



 黒い、羽根――