絶叫した僕を見て、マリアさんはにやにやしながら、

「触ってのとうり、今の私は智彦と同じ、ひじょ~に物理的な身体なのよねえ。だからもちろんお腹も減るし、たべなきゃ弱るのよ」

 豊かな自分の胸に僕の手を更に強く押し付ける。

「羽根があるときは魔力である程度、霊的身体でいるか物理的でいるか調整できるんだけど……羽根が無くて霊力足らないまんまで地上にいるから自動的にこんな状態なわけ」

「そうなんですかっ……て、だからってなんでそんなところ触らせてんですかっ」

 手の平から伝わる生々しい感触に、顔が熱く上気してるのを感じながら、僕は精一杯抗議した。

 だけど、次に聞いた言葉に……僕は、その台詞をぶつけた相手が誰なのかを更に強く実感するはめになってしまった。

「え~? だって智彦の反応面白いんだもん」

 一見、無邪気ともとれる笑顔でマリアさんは言ってのける。

 その様子を目にして僕は――



『……やっぱり悪魔だ』



 心の中で、強くそう思った。