「は……?」
意味がわからず首を傾げる僕に構うことなく、突然マリアさんは着ていたコートのボタンを外しはじめる。
「え……ちょっと……」
ボタンが外され露になった胸元に驚き思わず声を上げた。
大きく開いた胸元……露になる白い肩。
ためらうことなくコートを脱ぎ捨てたマリアさんの上半身はキャミソール一枚で。
「何やってんですかっ!?」
歳若い男と二人きりだというのに……。
焦り捲くり真っ赤になった僕の顔を見たマリアさんはいたずらっぽく、ふふ、と笑うと。
「智彦こそ何考えてんの……すけべ」
そう言って僕の目を挑発的に覗き込み。
「まあ、いいから見てな」
そう言いながらくるりとまわって、僕に背を向け……そして、次の瞬間。
バサッ――
僕の視界をふわりと横切った。
黒い、羽根……。

