今も、見守ってくれているだろうか。

 今までのようにずっと、僕のことを見ていてくれるだろうか。


 
 艶やかな黒髪。

 けばけばしい赤が描く、横たわる半月。

 空虚な日常に突然舞い落ちた。

 ヒラリと視界を過る、黒い羽根。



 あの日を思い出させる空はどこまでも、ただただ馬鹿みたいに青く。













 思わず……笑いがでた――

     




【完】