「カップル券?」


コーヒーの香る、自宅のリビング。


私はココアを飲むという空気を裏切り、普通にコーラを飲んでいた。


母はルンルンと踊りながら、私に紙切れを渡す。



「そうよー。お母さんとお父さん行けないから、陽菜乃にあげるわ~」

「ふうーん。ありがとう」


変な歌を歌いながら風呂に入っていく母を尻目に、紙切れを見てみた。



―――1日だけの、恋人達の集い!

きっと思い出の日になる!―――by主催側


遊園地かあ…。