『うーん…夕日かな。いつもかえりに、みてるもん』 『そっかー』 この時、男の子は温かい笑顔を浮かべて、 『ふたつの赤い空は、1日の始まりと終わりなんだ。同じなのに、意味がまったくちがう』 男の子は眩しいくらいに、哀しいくらいに、 世界を理性的に見ていた。 私は幼いながら、男の子の奥の闇を見た。