鈍感彼女



「....」


俺は近くにチャリを止めて、足が動く


自分の意思とは別に何かが俺の中で動いたのが分かった


そして俺の足が向かったのは公園


そう、俺が告った場所


姫乃が居るとかそんなんじゃなくて...


ただ俺が行きたいと願ったから


...キィ...キィ...


ブランコを漕ぐ人影


俺、視力悪くてよく見えないけど...


髪が長くて綺麗な子


「ッ...斗真...?」


「あ?」


なんで俺の名前知ってんの?


「ひ...姫乃...?」


近付いてみると、姫乃がブランコを漕いでいた


「学校早退してなにしてんだよ。体調、悪いんじゃねえのか?」


姫乃の前に立つ


「と...斗真ぁ!!!」


「うわっ!!」


姫乃が俺に抱き着いてくる


そのまま姫乃は泣き崩れた


「どうした?」


姫乃を抱きかかえて顔を覗き込む


相当泣いてる


軽い化粧が崩れてしまってる