「ほんっと、ありえない!」

私は一人靴箱の前で叫んでいた。
黒河羽未と言い合いになった後偶然窓から鳥が激突してきたり、階段から滑り落ちてたんこぶが出来てしまった。

私はローファーに履き替えると、急いで部室へと向かった。

―三時間の部活が終わり。
今の時刻は八時半。
校門を出るときには辺りはもう暗くなっていた。

「やっば〜お母さんに怒られるよ」
「早く帰ろっか〜!」

私と凛夏は途中まで同じ方向。

「ばいばい!」

私達は手を振ると、素早く自転車にまたがってペダルをこぎだした。

凛夏と途中で別れたあと、猛ダッシュで自転車をこいでいた。
あと家まで5分くらいだ。
そう思ってペダルをこぐ力を強くした時、少し前に進むとある廃墟のビルの前に誰かが倒れているのが見えた。

こんな時間に…ホームレスかな?
こんな夜遅くに、たとえ誰かが倒れていたとしても近づくのはいけないことだとは分かっていた。でも私は自転車を止めて倒れている人のもとへと駆け寄った。

雰囲気からして私と同じ年齢くらいだった。フードをかぶっていたので顔は見えないが。

「あの、大丈夫ですか?」