兄さんには腹括ってもらわにゃならんけぇの


「それがさ、いい性欲処理機みつけたんだよね。
俺、タチで…っはは」

むこうの部屋から電話で会話してるが聞こえる。
と思ったら、親父が部屋に入ってきた。

「あ…起きてたの?」

「…うん」

顔が赤くなる。

「可愛いな…
臣は俺の自慢だよ」

そう言われて泣きそうになる。

「またここに来て?
待ってるから」

もうちょっと一緒がいい。
そう思って見上げると、
面倒そうに俺を見ている。

…帰らなきゃ。
さよならしなきゃいけなくなる。
愛してるって言ってもらえなくなる。

「親父、また」

「うん、ばいばい」

また逢ってくれるの?
それっていつ?

駄目だ。
好きになった俺が悪い。
親父は何も悪くない。

そう自分に言い聞かせて、
23:00 の道を原付でスタジオに帰った。