兄さんには腹括ってもらわにゃならんけぇの


好きなのに、
好きなのに、
好きなのに。

また、裏切られた。

「臣くん、俺なら裏切らないよ」

微笑しながら識は言った。
嘲ってるんだ。
俺のこと。
ぼーっとした頭でそう思った。

「俺のになって」

何言ってるかわかんない。

「黙ってるってことは、いいんだ?
可愛いなぁ。
そんなことでショック受けて。
死んじゃいそうな顔してる」

悪魔が俺に纏わりつく。

「ん、好き、好き」

簡単じゃないか。
識を親父だと思えばいい。
そしたら愛される。
親父が俺を愛してくれる。

「可愛いなぁ、
でも仕事行かなきゃ。
一緒に行こうか?」

「うんっ」

親父に逢える、
親父に逢える、
親父に逢える。

希望が見えた気がした。