45センチのコイ。

けっこう人気だから、早くおばちゃんに伝えなきゃ。


「すみませーん」


「はいはい。
どれが欲しいの?」


あたしの声にすぐに気づいてくれたおばちゃんは、にっこり笑って商品棚を挟んだあたしの前に来た。


「「メロンパンください」」


……あ、あれ?。

今、誰かと声が被った?。

気のせい?。


「ちょっと待ってね」


おばちゃんはまた一瞬あの笑顔を見せ、後ろを向いた。

たぶん、パンの在庫を確認をしてくれているのだろう。


あれ?。

でもなんで、在庫確認する必要があるの?。

商品棚にメロンパンはちゃんとあるのに。


さっきのあたしの声と被ったように聞こえた声は、気のせいじゃなかったのかな。


「ごめんね。
もうメロンパンの在庫が1つしかなくて。
お二人さん、どうする?」


後ろを向いていたおばちゃんは、すぐにこちらに向き直り困った顔をした。


……って、お二人さん、って……。

やっぱり、あたし以外にメロンパンが欲しかった人がもう一人いたんだ。


……しょうがないな……。

残念だけど、今回は諦めて違うパンにしよう。