45センチのコイ。

あたしにとっては初めて聞いた苗字だから、“思い出す”という作業もできない。


氷がたくさん入っていて冷たくおいしかったジュースは、もう水っぽいを通り過ぎて、微かにジュースの甘さが感じられる程度になってしまっているだろう。


何もできない自分に、ため息が出た。


「あっ、ゴメン優香。
ヒマになってたよね」


あたしのため息に気づいたのか夢香は、カバンを持って立ち上がった。


「ううん。
夢香がせっかく思い出そうとしてくれてるのに、何もできなくてゴメンね」

「いいのいいの。
たぶん、ここにずっといても思い出せないと思うから、違うとこ行こっ」