こんな私でも愛されますか

「どうしましたか？」

　私が椅子に座ると、男性医師が問診を始めた。

男性医師の後ろをうろついている若い女性看護師がものすごい気になる。

茶髪にきれいに巻かれた髪。

マスカラでふさふさになった長いまつげ。お前みたいなのが愛され女子って奴なのか。

毎日、半身浴とかしちゃっている系の女子なのか。

「どうしましたか？」

　男性医師が声を大きくして尋ねてきた。

我に返った私はしどろもどろになって答える。

「あの、頭がおかしいっていうか……」

「頭がおかしい？どんな風に？」

「よく分からないんですけど、外に出られないし、シャワーも浴びられないんです」

　うん、これは本当のことだ。嘘はついていない。

「それはなんで？」

「え……」

　私は頭をフル回転させる。

面倒くさいとか、仕事でそんな余裕がないとかじゃ駄目だ。

「あの、駄目なんです」

　男性医師は少し考え込んでいるようだった。

「眠れないとかは？」

「眠れないというより、眠たくても寝られないというか……」

男性医師は何かひっかかったようで、私を凝視した。