始発とともに

結局良い案が浮かばないまま時間だけが過ぎていった。

明日の話し合いに意見を出す事、とクラス委員らしい崇の言葉で締めとなり、それぞれ帰路についた。

「修二さんに話聞こうかな…」

「話って?」

商店街での買い物帰り、すっかり夏色になった田畑を眺めながら自転車を漕いでいた。

「審査委員長だったってことは、今までの良い出し物を知ってるわけでしょ?
修二さんの意見を参考にしようかなって思って。」

「そうだな…」

風になびくスカートを押さえながら、秋が空を見上げた。

「もうすぐ夏休みだね…」

「そうだな…」

この村で迎える初めての夏に、心はざわざわと落ち着かない。

同じ気持ちを秋も感じているだろうかと思うと、北斗は妙に冷静になれた。

夏の風が二人を後押ししている様だった。