始発とともに

「去年は修二さんが審査委員長だったのか?」

「去年と言うか、修二さんが村に来てらかずっとだから…
十年以上はお願いしてるはずだよ。」

修二は十年以上も前にこの村に移り住んでいたのかと、北斗と秋は顔を見合わせた。

「修二さんは元教授だろ?
委員長にはもってこいだし、村の出身じゃないから贔屓もないしな。」

「そうだな…」

よくよく考えれば、北斗と秋は修二と忍の事をなにも知らなかった。

別に知る必要もないし、興味もなかった。

でも一緒に暮らすようになって半年、今なら興味があると思える。

修二がどうして村に移り住んだのか、忍がどうして村に逃げてきたのか。

知らないことは山の様にあり、どれも簡単に踏み込めるような内容ではなかった。