始発とともに

「春くんって、基本的にやる気ないよなぁ…」

春樹はあてにできないと確信し、四人は放課後の溜まり場となりつつある図書室に移動した。

「…それは分かったけど、なんで私達まで崇に付き合わなきゃいけないの?」

本を片手に、蓮華が面倒そうに言った。

「だって初の全員参加だよ!?
どうせなら企画段階から参加して欲しいじゃん♪」

崇が満面の笑みを浮かべるが、蓮華は呆れ顔で目を反らした。

「村全体の文化祭って珍しいよね?」

過去の文化祭資料を見ていた秋は、ページをめくるたびに嬉しそうな笑顔を浮かべている。

「この村は人口が少ないから、なんでも共有しないと人が集まらないのよ。」

蓮華が言うと、秋はそっかと微笑んだ。

「審査委員長は今年も修二さんかな…」

秋の手元を覗きながら崇が言った。