「文化祭の話し合いって、普通は嫌な雰囲気にならない?」

秋が後ろの席で頬杖をついている北斗に囁いた。

「…確かに。」

秋と北斗にとっては初めての文化祭だが、皆にとっては毎年の恒例行事。

高校生にもなると、さすがにやり飽きた行事なんだろうと思っていた。

「ここの文化祭は特別なのよ。
学校だけじゃなくて、村全体のイベントだから。」

蓮華が呆れたように笑いながら言った。

「そうなんだ…」

ふーんと秋が納得すると、蓮華は軽いため息をついた。

「文化祭というか競争ね。
それぞれの出し物で競いあうのよ、たしか優勝チームには毎年豪華な景品が当たるらしいわよ?」

景品と言う言葉に秋の目が輝き、それを見た北斗と蓮華は顔を見合わせて笑った。

「はい、そこ!
何か意見出してくれます?」

クラス委員である崇が言うと、クラスが笑いに包まれた。