始発とともに

それからは四人で行動することが多くなった。

男女別になっても、秋はそれなりに女子に溶け込んでいるようだった。

むしろ蓮華の方が女子と距離があるように見えた。

「なぁ、蓮華ん家の事情知ってるか?」

ある日の放課後、掃除当番だった秋と蓮華を図書室で待っている時の事だった。

「いや、俺は聞いてない。」

北斗の答えに、崇は腕組みしながら何かを思案している様だった。

「実はさ…」

「待った。
それは俺が聞いてもいい話なのか?」

話し出そうとした崇を遮って、北斗は読みかけの本を閉じた。

「蓮華から聞いてないのに、崇から聞くのはどうなんだ…?」

北斗の言葉に、崇は驚いたように目を丸めて、そして嬉しそうに笑った。

「うん、やっぱ北斗には知ってほしいな。
それに、蓮華は絶対に言わないから。」

崇が珍しく真面目な声で言うので、北斗も黙って聞くことにした。