始発とともに

少し遅めの夕食を済ませた後、北斗と秋は修二の書斎で本を読んでいた。

「秋、蓮華といつのまに仲良くなったんだ?」

昨日までは不機嫌そうだったのに、今日の昼休みから急に仲良くなった秋に疑問を抱いていた。

そう簡単に人に心を許さない秋を知っているから、北斗は不思議で仕方がなかった。

「えっ?
えーっと…秘密…?」

「なんで疑問形?」

「別にいいでしょ?
何、蓮華の事気になるの?」

秋は本から目を離さずに言った。

「いや、蓮華じゃなくて秋だろ。
何かあったかと思ってさ…」

「えっ?
な、何もないよ。」

冷静そうな素振りをしながらも、口元が嬉しそうに微笑みを浮かべているのを見逃さなかった。

「なら良いけどな。」

北斗も思わず微笑みを浮かべていた。