始発とともに

三年間経って、結局学校を好きになれないまま卒業式を迎えた。

集団行動が苦手で、誰かが近くにいることが苦手で。

でも適度に他人と関わるようにしてきた。

関わらずにいることで、余計周りが関わろうとしてくるのが面倒だったから。

「ねぇ、コメント書いて♪」

馬鹿っぽい笑顔を浮かべながら、卒業アルバムを差し出される。

「うん。」

わざとらしく何を書こうか悩むふりをしながら、内心では目の前に立つガキにイライラしていた。

振り返る事は、ここが好きだった証。

振り返る事は、愚かだった自分の証明。

「はい、お待たせ。」

「ありがとう♪
卒業しても、また遊ぼうね。」

「うん。」

適度な笑顔と、適度な相づち。

それが三年間で学んだ、最も役立つ知識。