始発とともに

「じゃあ俺行くわ。」

秋に軽く合図してから、北斗が言った。

「うん、私も帰る。
あっ、それ借りてきなよ。
結構面白いよ?」

「そうか、じゃあ借りてく。」

二人は席を立ち、貸し出しカウンターに向かった。

「秋、ちょっと待ってて。」

「うん…」

秋は入り口で不思議そうに北斗と蓮華を見つめていた。

「薫(かおる)先輩、山内も借りたいらしいよ?」

「はいはい、ちょっと待ってね?」

カウンターで本を読んでいた薫は、貸し出しカードをごそごそと漁った。

「あぁ…
彼のはまだ作ってないわね。
蓮華ちゃんのカード使って良い?」

「うん。
じゃあこれとこれね。」

北斗と蓮華の本を預け、薫の貸し出し準備を見つめる。

「薫先輩は図書委員長なの。
薫先輩、早めに山内のガード作ってあげてね?」

「分かった、次までに作っておくね。
はい、お待たせ。」

本を受け取り、図書室を出た。

「悪いな、渡辺。」