始発とともに

入学式は順調に進み、新入生総代の秋も緊張など感じさずに勤めていた。

全校生徒が体育館に集められたのに、体育館の半分も埋まらない生徒数には驚いた。

でもそれが当然だという感じの生徒達は、退屈そうな時間を過ごしていた。

入学式が終わると、各自バラバラに体育館を出ていく。

「北斗、教室行こ。」

緊張から解き放たれて、秋の表情は少しだけ和らいでいた。

「北斗、寝てたでしょ?」

少しだけ不機嫌そうに秋が言った。

「…秋の挨拶は聞いてたよ。」

本当は半分夢うつつだったが、寝てたなんて言ったら秋に何をされるか分かったものじゃない。

「北斗、秋ちゃん。」

廊下で二人を待っていた崇が、軽く手を振っていた。

「秋ちゃん、良い挨拶だったよ♪」

崇がそう言うと、秋は少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ。

「これくらい言わなきゃだめじゃん?」

崇がこそっと北斗に囁いた。

「…は?」

「だってお前らあれだろ?
付き合ってるんだろ?」

崇の言葉に二人はギョッとして首を振った。

「違う違う!
そんなんじゃないよ!」

秋は顔を真っ赤にしながら言った。