始発とともに

商店街に入ると、ピカピカのランドセルを背負った小学生や、大きなあくびをしながら歩く高校生の姿が見えた。

「北斗くん、秋ちゃん!」

大きな声で呼ばれて自転車を止めると、すっかり親しくなった肉屋のおばさんが手を振っていた。

「おはよう、おばさん。」

「おはよう。
今日から高校生かい…
二人とも良く似合ってるよ♪」

おばさんは楽しそうに笑いながら言った。

「北斗くん、ちょっと…」

「何?」

手招きされて近付くと、おばさんがニヤリと笑った。

「秋ちゃん、綺麗だねぇ…
油断してると、誰かに持ってかれちゃうよ?」

「なっ、別に俺は…」

北斗が動揺すると、おばさんは豪快に笑った。

「北斗、そろそろ行こう?」

「あぁ…」

北斗はぐったりと肩を落としながら答えた。