始発とともに

この村には一つしか学校がなかった。

だから小学生から高校生までが同じ校舎で授業を受けている。

と言っても各学年1クラスがやっとで、その年度によって学年そのものが無いこともあったらしい。

村の人口が減ってきている今、この学校の存続からして危ないと忍が言っていた。

「…緊張してきた…」

自転車をこぎながら、秋が大きく息を吐いた。

「新入生総代だからか?」

北斗がイタズラっぽく言うと、秋は恨めしそうに北斗を睨んだ。

「それもあるけど…
そもそも学校に行くのが緊張するの!」

秋は困ったように眉を寄せた。

学校へ忍び込んだ秋が、教室内を滅茶苦茶にしながら泣いていた事を思い出した。

学校は牢屋だと言った秋は、学校に対して良い思い出が無いのだろうと思った。

「大丈夫かな…
どこか変じゃない?」