「緊張した?」

北斗が言うと、秋はコクコクと頷いた。

「じゃあ修二さんの所に行こう。
これからの事をお願いしないとな?」

北斗の言葉に、秋はこくりと頷いた。

修二は朝と同じように、縁側でお茶を飲んでいた。

「修二さん、ただいま戻りました。」

北斗が声をかけると、修二は眩しそうに目を細目ながら微笑んだ。

「良かった、二人一緒ですね。」

修二の優しい声に、秋は意を決した様に修二の横に正座した。

「修二さん、今朝は…いえ、昨日からすみませんでした。
色々良くしてもらったのに…」

秋はそう言うと少しだけうつむいて、北斗は秋の隣に座り修二を見つめた。

「修二さん、俺達をここに置いてもらえませんか?
出来る限りの事はやります。
ご迷惑かけますが…俺達この村でやり直したいんです。」

北斗の強い視線に修二は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに優しい笑顔を浮かべた。

「大歓迎ですよ。
元々は私が無理矢理連れてきたんです。
遠慮はいりません、今日からここが二人の家ですよ。」

修二の優しい声に、北斗と秋は微笑みながら頷いた。

「修二さん…ただいま。」

「はい、おかえりなさい。」

気づけば夕日は沈み、夕闇がオレンジ色を少しずつ塗り替えていた。