始発とともに

突然現れた忍は、そう言うとそのまま行ってしまった。

「…朝飯だって…」

北斗が呆然と言うと、秋も呆然と頷いた。

二人はとりあえず居間に向かった。

「はい、さっさと座る。」

忍に言われて、二人は慌てて座った。

「「いただきます。」」

忍と修二の号令に、北斗と秋は手を合わせた。

「二人とも、行くところがないならここにいなさい。」

味噌汁を飲みながら平然と言う修二に、二人は箸を止めた。

「…は?」

「この村は静かだし、二人の事を詮索する者もいない。
学校からは近いし、良いと思うけど?」

忍が追い討ちをかけると、秋は勢い良く立ち上がった。

「そんなの私の勝手でしょ!?
なんであなたたちに指図されなきゃいけないの?」

「秋!」

北斗がたしなめようとしたが、秋は不機嫌そうに北斗を睨むと居間を飛び出していった。

玄関の扉が開く音がして、秋が走り去る足音が聞こえた。

「…追いかけないの?」

淡々と食事をしながら忍が言った。

「…しばらくしたら戻って来ますよ。」

北斗も淡々と答えた。