始発とともに

「それも良いかもな…」

偶然たどり着いた村だったから、ここがどんな村なのかを知っておくのは良いと思った。

「じゃあ行きましょうか。」

秋はスーツケースを引っ張りながら歩き出した。

面倒そうにスーツケースを持ち上げながら、秋が石段を降りていく。

「これ邪魔ねぇ…
私も北斗みたいな鞄にすればよかった。」

秋が不機嫌そうに呟いた。

「…持ってやろうか?」

「そう?
ありがとう。」

秋は当然のようにスーツケースを北斗に渡した。

「お前、最初からこのつもりで…」

北斗は恨めしそうに呟いたが、秋は気にする様子もなくスタスタと歩いていく。

そのまま半日近く歩いて、二人は神社に戻って来た。

「小さい村だったわね…」

「何もなかったな…」

途中の店で買ったパンで昼食を済ませた。