始発とともに

北斗は苦笑いを浮かべながら空を見上げた。

「大丈夫だ…
俺が側にいる。」

北斗の優しい声に一瞬目頭が熱くなって、思わず空を見上げた。

すると清々しい程晴れ渡った青空が目に入ってきた。

待っていてくれる人がいる。

支えてくれる人がいる。

そして送り出してくれる人がいる。

それは何よりも暖かくて、何よりも幸せな事だった。

「うん…」

遠くから電車の音がして、ベンチから立ち上がって電車を待った。

電車が駅に止まり、ゆっくり扉が開いた。

電車にはほとんど人が乗っていなかった。

電車を見つめながら、無意識に北斗の左手を握っていた。

北斗の左手がゆっくりと、優しく握り返そうとしてくれていた。

「…ありがとう、北斗。
行ってきます。」

「あぁ、気をつけて…
いってらっしゃい。」

そして二人の手は離れて、荷物を持って電車に乗り込んだ。

扉が閉まり、電車がゆっくりと走り出した。

窓越しに見つめ合っていた。

電車の速度が上がり、北斗の姿がどんどん小さくなっていく。

完全に駅が見えなくなってから席に座った。

最後に北斗に触れた左手を見つめながら、思わず微笑んでしまった。

窓の外は泣きたくなるくらい綺麗に晴れていた。