始発とともに

「すぐに帰ってくるから…」

目を伏せて、何もない地面を見つめた。

「ゆっくりしてこいよ…
こっちは大丈夫だからさ。
ちゃんと待ってるから…」

北斗は空を見上げながら言った。

「ゆっくりって…
まだ無理だよ。」

思わず苦笑いを浮かべた。

「…だよな。」

北斗も苦笑いを浮かべた。

そしてまた沈黙が訪れた。

鳥が空を飛び、朝の清々しい風が吹き抜けた。

舞い上がった髪を押さえていると、北斗が優しく微笑んでいるのが見えた。

「何?」

「いや…
綺麗だなと思って…」

「えっ?」

予想外の発言に、思わず頬が赤くなった。

そんな顔を見て、北斗は困ったように微笑んでいた。

「秋は綺麗だよ…
味方も大勢いるし、待っていてくれる人もいる。
だから大丈夫だ。」

「北斗…」