始発とともに

駅に着いて、二人は待合室に向かった。

「ここで俺達は出会ったんだよな…」

北斗が懐かしそうに言った。

「そうね…
あの時は、一緒に暮らす事になるなんて夢にも思わなかった。」

「俺もだ。」

北斗は苦笑いを浮かべた。

切符を買ってホームに向かった。

北斗も特別に許可を貰ってホームに入った。

あの事件以来、北斗は密かに村の有名人になっていて、一部では英雄の様に言われていた。

駅員も同じ様に思っているようで、快く許可してくれた。

「あの時は、二度と実家に戻ることは無いと思ってたからなぁ…」

「うん…」

ホームのベンチに座って電車を待った。

終電に乗って出てきたはずの実家に、始発に乗って戻る事になるなんて…

可笑しくなるくらい違和感があった。