始発とともに

「あれ、まだ寝てるのか?」

朝食が出来上がり、食卓には朝から豪華な食事がならんでいる。

「うん。
覗いたけど、気持ち良さそうに寝てたから。
疲れたんじゃない?
昨日退院したばかりだし。」

「でも起こした方が良くないか?
黙って行ったらあいつ怒るぞ?」

確かにそうかもしれない。

今日の為に無理矢理に退院の日程を決めたと言っても過言ではなかった。

「でも…」

でも退院したと言っても、しばらくは通院してリハビリしなくてはいけないし、完全には治らないと告知も受けている。

『大丈夫だ』と明るく笑っていたけど、不自由な生活になることは間違いない。

自分を守るために負った怪我だから、支えるのは当たり前だけど、気持ちや不自由さを共有するのは無理だから…

だからこそ側にいなくてはと思う。

もちろん、そうじゃなくても自分が一番側にいる存在でありたいとは思う。

「大丈夫だって。
俺が起こしに行くから、お前は食べてろよ。」

そう言って居間を出ていく後ろ姿を見つめながら、二人で顔を見合わせて笑った。