始発とともに

よく晴れた朝だった。

鞄に荷物を積めて居間に向かった。

「おはようございます。
準備はできましたか?」

優しい笑顔に迎えられて、私は微笑み返した。

「はい。」

「駅からのルートは大丈夫ですか?」

「昨日確認しましたから。」

「そうですか。」

優しい声を聞いていると、安心に身を包まれている様な気がしてくる。

出会った時には不信感しかなかったのに、こんなに大切に思えている自分が不思議だった。

台所から良い匂いが漂ってきて、覗きに行くといつもの後ろ姿が見えた。

「おはよう。」

「おぅ、おはよう。
まだ寝てればよかったのに。
始発まで時間あるだろ?」

「目が覚めたから。
手伝うよ。」

「じゃあ頼む。」

半年間隣で見てきてかなり料理の腕は上がったと思う。

でもやっぱり隣で一緒に居てくれるから安心できてるんだと思うと、この位置は誰にも譲れないななんて思ってしまう。