人生は何が起こるかわからない。

本当にそんな事があるんだなと、他人事のように思っていた。

ふらふらと村を歩いていると、気の良さそうな老人に声をかけられた。

言われるままについていくと、大きな日本家屋に連れていかれた。

使い込んだ雰囲気のある家具が並んでいるのに、妙に老人と合っていなかった。

すべてを捨ててこの村に来たはずだったのに、老人の話を聞いていたら妙に惜しい気持ちになっている自分がいた。

『自分の人生を見つめ直してみなさい。
それでも後悔しているなら、それがあなたの答えです。』

後悔なんて嫌というほどしてきた。

でも人生を見つめ直した事はなかった。

見つめ直すほどの人生だったのだろうか。

止まっているみたいな時間の流れに、今まで考えたこともなかったようなことが頭を巡っていた。