始発とともに

「でも、今は憧れだったって分かったの。
私は秋が羨ましかったのね…
いつも近くに北斗が居てくれる秋が羨ましかった。
秋の側にいる、北斗が好きだと思ってたの。」

蓮華は哀しそうに微笑んだ。

「北斗が倒れてから、崇と秋が駆けつけてくれて…
北斗が目を覚ますまで、ずっと崇が隣にいてくれたの。
何か言うわけじゃないけど、ただ隣で支えててくれた…
北斗が話してくれた事が、よく分かった気がした…」

「…蓮華。」

「それに、北斗はいつだって秋しか見てないから…
私が入る隙間無いんだもん。
だから、あきらめた…
今日からは友達として、北斗の側にいるから。
一人にしない、支えるから、だから…」

蓮華は目にいっぱいの涙を貯めながら微笑んだ。

「ありがとう、北斗。
私、強くなるから…
北斗や秋に負けないくらい強くなるから…」

北斗はゆっくり右腕を上げて、溢れ出した涙をぬぐった。

「ありがとう、蓮華。
ごめんな?」

北斗の優しい声に、蓮華は困ったように微笑んだ。

「北斗は優しいからな…
また頼っちゃいそうだよ…」

「頼ってくれ。
俺は、蓮華の味方だから。」

二人は顔を見合わせて笑った。

廊下で二人の会話を聞いていた秋と崇も顔を見合わせて、安心したように微笑んだ。