始発とともに

右手に温もりを感じて、北斗はゆっくり目を開けた。

白い天井と、吊るされた点滴と、そして心配そうに覗き込む秋の顔が見えた。

「北斗…
大人しくしててって言ったでしょ?」

怒ったように言う秋に、北斗は思わず苦笑いを浮かべた。

握っていてくれた秋の手が離れ、右手には僅かな温もりだけが残っていた。

「無茶して走るから…
傷が開いて大変だったんだぞ?」

秋の隣には崇が立っていて、不機嫌そうな顔で北斗を見ていた。

「…悪かった。」

そして崇の後ろに、うつむいたままの蓮華が立っていた。

「俺、飲み物買ってくるわ。」

「私も。」

そう言って、崇と秋は病室を出て行った。

「ごめんなさい。
無茶させて…」

「気にするな…
俺が悪いんだから。」

北斗が苦笑いを浮かべると、蓮華は困ったように微笑んだ。

「私、北斗の事好きだった。」

「えっ?」

突然の告白に、北斗は目を見開いた。

蓮華が困ったような微笑みを浮かべた。