始発とともに

ガラッと扉が開く音がして振り返ると、驚いたように目を見開いた蓮華が立っていた。

「…遅いぞ?」

「…北斗…」

呆然と呟いた蓮華に、北斗は優しく微笑みかけた。

「引き籠ってるっていうから、心配した。
大丈夫か?」

北斗が言うと、蓮華は辛そうに表情を曇らせた。

「私なんかより、自分の心配しなよ…
何でこんな無茶するの?」

「別に無茶なんかしてないよ…
俺は放っといても治るけど、蓮華は放っといたら治らないだろ?
だから、蓮華の方が心配だったんだ。」

北斗が優しく言うと、蓮華はぐっと唇を噛んだ。

「蓮華、あんな事になってごめん…
俺がもっと上手く対処できてたら、蓮華の両親は逮捕されずに済んだかもしれない。
だから…」

「違う!
違うの…
私知ってたの…
あの時ガラスを倒したのが両親だったって…
私、気付いてた…」

蓮華は目を伏せて、貯まった涙を必死で堪えていた。

「でも、心の何処かで『違ったら良い』って思ってた…
だから、北斗や秋や崇に甘えてた。
でも…
やっぱり不安だったから修二さんに相談したの…
もし両親が現れたら、逮捕して欲しいって…」

蓮華の目からはポロポロと涙が零れていた。

「だから私は校内を歩き回って、自分はここにいるよってアピールしてた…
だから、両親が現れたときに『やっぱり』って思った。
でも、あんな事になるなんて…」

蓮華の声は涙に揺れて、今にも崩れてしまいそうだった。