始発とともに

病院に着いて、北斗はそのまま手術室に運ばれた。

包丁は二の腕を貫通していて、前の傷よりも酷いものだった。

麻酔を打たれて手術が始まり、北斗は混乱した頭のまま眠りに落ちた。



目覚めて目に入ったのは、懐かしい白い天井と、心配そうに見つめる秋の顔だった。

「北斗…?」

「秋…」

北斗の声に、秋は安心したように微笑んだ。

秋の隣には忍と修二、反対側には蓮華と崇が北斗を覗き込んでいた。

「…今何時?」

「五時。
まだあれから四時間くらいしか経ってないわ。」

「そっか…」

ズキッと左腕が痛み、北斗は顔を歪めた。

「北斗!」

「…大丈夫、大丈夫だ。」

北斗の言葉に、今まで堪えてきた涙が秋の目から溢れた。

「ごめんね、北斗…
庇ってくれてありがとう…」

秋はポロポロと涙を溢しながら言った。

北斗は右手で秋の涙を拭い、優しく微笑んだ。

「北斗、ごめんなさい。
私のせいで…
両親、逮捕されたから…
だから、もう大丈夫だから…」

蓮華はそう言って微笑みながら目に涙を貯めていた。

「本当にごめんなさい…」

そう言って頭を下げた蓮華の目から涙が零れ、崇はそっと蓮華を抱き締めた。

「修二さん…
父さんは…」

「廊下に居ます。
黙っていて、すみませんでした。」

そう言って頭を下げた修二を、北斗は曖昧な表情で見つめた。