始発とともに

「悪かったな、送ってもらって。」

「いや、気にするな。」

家に着くと、忍が出迎えに出てきた。

忍と春樹が話している姿は、妙に新鮮だった。

「春樹とは飲み友達なんだ。
こいつは突然呼び出して、メチャメチャ飲んで、一人で酔いつぶれる駄目な奴だよ。」

忍の酷い言い方に、春樹は苦笑いを浮かべた。

「じゃあ俺はここで。
北斗、お大事に。」

「ありがとうございました。」

そう言って春樹は帰って行った。

「飯の用意出来てるぞ。
崇も食ってくだろ?」

「はい。」

久々の家は安心感があり、縁側でお茶を飲んでいる修二の姿を見て、北斗は心が暖かくなるのを感じた。

「おかえりなさい。」

「ただいま。」

夕闇に響く虫の声が、夏の終わりが近付くのを感じさせた。