始発とともに

「…やっぱり会いに行くか。」

北斗はそう言うと、ベットから降りようと毛布を捲った。

「ダメダメ!
まださっき出て行ったばかりでしょ?」

「…だって、暇だから。」

「何言ってんのよ…」

呆れ顔の秋は、ため息をつきながら北斗を見つめた。

「北斗、連れてきたぞ♪」

扉が開いて、笑顔の崇が病室に入ってきた。

「ほら、入れって?」

「でも…」

「でもじゃない!」

入り口での押し問答のあと、ようやく蓮華が病室に足を踏み入れた。

「北斗…
遅くなってごめんなさい。
それから…
ありがとう。」

蓮華はうつむきながら、呟くように言った。

そんな蓮華の姿を見て、北斗と秋は顔を見合わせて微笑んだ。

「蓮華、気にするな。
皆が大げさ過ぎなんだ、こんなの放っとけば治る。」

「誰が大げさよ!?
あんなに血が出てたくせに!」

「そりゃあ切れたら誰でも血ぐらい出るだろ?」

「真っ青な顔してたくせに!
車の中で、私に体を預けてきたのは誰ですか?」

「そんな記憶にない時の事言うなよな!?」

いつの間にか言い合いになってしまった北斗と秋の姿に、蓮華は堪えきれずに笑い出した。

「北斗、秋、ありがとう。」

蓮華の笑顔に、三人も顔を見合わせて笑った。