始発とともに

「修二さんに任せておけば大丈夫だ。
あの人は、どこまでも優しい人だからな…」

忍は優しい目で二人を見つめていた。

「俺には真似できませんよ…」

「当たり前だろ?
生きてきた年数が違いすぎる。
…だから早まったことするなよ?」

忍はポンッと崇の頭に手を置いた。

「はい…」

崇は握り拳を緩めた。

自分が一人で暴れたって意味がないことぐらい分かっていた。

それでも蓮華の為になるなら、崇はどんなことでもやってやるつもりだった。

『支えてあげればいい…』

『どう相手に接するか…』

修二の話を聞いていて、自分のなかにも入ってくる言葉が多いことに気が付いた。

蓮華を守りたい気持ちばかりだった自分、それは蓮華にとって支える事になっていたのだろうか。

「声…かけてこい。」

忍は優しい声で、崇の背中を押した。

崇は軽く息をはいて、気持ちを整えてから微笑んだ。

足が今までより軽く前に進んだ気がした。