宛もなく移動を続けた二日間が過ぎ、気づけば何もない村にたどり着いていた。

電車は二時間に一本しかないし、別の場所に行くには乗ってきた電車を戻らないといけない。

それは面倒だったから、とりあえずこの駅を終着駅にすることにした。

駅を出て最初に目に飛び込んできた景色は、雄大な自然のみ。

ほとんど何もない場所だった。

それがよかったのかも知れない。

とりあえず、駅員に聞いた村に向かって歩き出した。

30分近く歩いてようやく民家が見え始めた。

店らしい店もなく、人も歩いていない。

ここならきっと今までのことを全て封じ込めて生きていられる。

そう思えた。



…ーーー…