始発とともに

「北斗!」

突然、崇が病室に飛び込んできた。

忍が連絡してくると病室を出てから、そんなに時間が経っていなかった。

多分病院に向かう途中で連絡を受けて、そこから急いで来てくれたのだろう。

崇の頬を汗が伝い、乱れた息を必死で整えようとしていた。

そんな崇の姿に、北斗と秋は顔を見合わせて微笑みを浮かべた。

「病院では静かにね。」

秋にたしなめられた崇は、一瞬驚いたように目を開き、それから安心したように微笑んだ。

「良かった、もう大丈夫みたいだな。」

「あぁ、心配かけて悪かった。
蓮華は一緒じゃないのか?」

真っ先に病室に飛び込んで来るだろうと思っていた蓮華の姿が見えずに、北斗は不思議そうに崇を見た。

「病院には来てる。
けど、北斗に会わせる顔がないって…
どんなに言っても、病室に近付こうとしないんだ。」

崇は哀しそうに目を伏せた。