始発とともに

『北斗、大丈夫よ。
すぐ元気になるから。』

優しい声がして目を開けると、母が優しい微笑みを浮かべていた。

『何か食べたいものあるか?』

普段は厳格な父も心配そうに覗き込んでいる。

『そうか…
じゃあ食べたくなったら言うんだぞ?』

自分は何も言ってないのに、父は優しくそう言いながら微笑みを浮かべた。

『さぁ、もう少し寝なさい。』

そう言って母は優しくおでこに手を乗せた。

それは冷たくて気持ち良くて、そしてひどく懐かしい気持ちにさせた。

『早く元気になりましょうね。』

母が浮かべる優しい微笑みに、思わず目頭が熱くなった。

言葉を出したいのに声にならず、歯がゆい気持ちになる。

でもそこで夢だと気が付いた。

それは心のどこかで望んでいた、懐かしい思い出だったのかもしれない。

そう思って、ゆっくり目を閉じた。