始発とともに

翌日の朝、何事もなかったように居間に入った。

「おはようございます。」

「おはよう、北斗。」

食器を運んでいた忍は、何事もなかったように笑顔を浮かべている。

「おはようございます。」

新聞を片手に居間に入ってきた修二も、相変わらずの優しい笑顔を浮かべていた。

気にしているのは自分だけかもしれないと思い北斗が座ると、卵焼きの入った皿をどかっと机に追いた秋が、睨み付けるように北斗を見つめた。

「お、おはよう。」

北斗が驚いて呟くと、秋は睨み付けていた目を一瞬伏せて、それから安心したような優しい微笑みを浮かべた。

秋は鋭くて言い逃れ出来なくて、見透かすような聡明な目が恐いと初めて思った。

北斗が秋の面倒をみているようなつもりだったが、本当は秋に転がされているような気がしてきた。

なんとなく居心地の悪い朝食になった。