「……」

私は今、屋上に向かっている。


何でかって?


それは、



涼太の相談しなければならないのだ…


はっきり言って…


今は会いたくない…



けど明日はお姉ちゃんとの初デートらしい。


昨日電話がきて、

『明日初デートだからアドバイスちょうだい!』

って何度も言われたので仕方なく行くことにした。

「あぁ……うん…」

涼太の話し声が聞こえる。

私は屋上の扉を開けようとしていた手を止めた。
聞きたくないのに聞いてしまう。

「……あぁ…うん…明日楽しみにしてろよ!」


相手はお姉ちゃんのようだ。

「…うん…分かってる…美菜には内緒だろ?……うん…分かってるって…それじゃ!…好きだよ…照れんなよ!……」


その後の話は私の耳に入ってこなかった…


私はその場にいたくなく、我を忘れて走った。


どこに行ったらいいか分からないけど走った。


たどり着いたのは繁華街の路地裏…


ここは私の知らない場所…


てか迷ってしまったようだ…


「どうしよう…道分かんない…」


でも一応連絡をしようとしたが、ケータイは教室のカバンの中。


最悪じゃん!


一応ちょっと歩いてみたが…