「あ、のんのテレビ始まるじゃん。」
しばらく飲んだあと、ポツンと健がつぶやいた。
時計を見ると18時58分をさしていた。
「ああ、そだね。見るの?」
「え、逆に見ないの?」
「いや、別にいいけどさ。」
リモコンを手に取り、チャンネルを8に変えた。
「お、優菜も一緒か。」
「お前知らないくせに優菜とか言ってんじゃねえよ。」
「いいじゃん、」
テレビに映ってる優菜を見るのは久しぶりだ。
やっぱりかわいい。
優菜とは、おととし、ドラマで共演した。
そのときに打ち上げでアドレスを交換してから付き合うようになった。
優菜は髪が長く目も大きく、整った顔立ちをしている。
右目の下のほくろが特徴的で、ホントにモテる。
「あの藤堂優菜がお前と付き合ってるなんてまだ信じられんわ。」
「もう2年なんでそろそろ信じてくださいよ。」
「いいな、美人と付き合えて。」
「だろ。」
「お前、大切にしろよ。」
「分かってる。てかしてるわボーケ。」
そう笑って見せた。
気づいたらもう俺のテレビは終わってたけど。

