バレンタイン3日前だった。
あたしは、その日美鈴ちゃんと会う約束していた。
少し早めに待ち合わせ場所に着いた。
キョロキョロしていると、

「咲ちゃん?」
「あっ、どうも。」
相変わらず可愛い人だった。
服装も…。
通る人みんな、振り向いて行く。
美鈴ちゃん…すごいなぁ。
羨ましい。

「ごめんね。いきなり…。でも、どうしても話したいことがあって。」
きた…!
絶対、翔のことだ…。

「はい…。」
「じゃあ、立ち話も何だし喫茶店でも入ろっか。」

あたしたちは、喫茶店に入った。

カランカラン…

「うわぁ〜…。」
すごいお店…。
大人っぽいなぁ。

「ここね、私のいきつけのお店。」
「そうなんですか。」
「敬語…」
「えっ?」
「敬語やめましょう?年、あんまり変わんないんだし。」
「あっ…うん!」


注文して、あたしはチョコレートケーキとミルクティー。
美鈴ちゃんは、ミルフィーユとコーヒーを頼んだ。


「あ…。話したいことはね…。」
美鈴ちゃんは、一口コーヒーを飲みながら言った。

「うん。」
「咲ちゃん、翔のこと好きでしょ?」
…やっぱり。
予想通り。

「いや…。」
「翔はね、いいこよ。」
「美鈴ちゃんは、好きなの?」
「まぁね。でも、恋愛対象ではないんだよねぇ。」
「え…?付き合ってるんじゃないの?」