ありえない…!
失恋…しちゃった。
何で?何で嘘ついたの?
いるならいるって…
言ってよ。
言ってくれたら、あたし…やめてたのに。
ばかぁぁぁぁぁぁぁ!


-最悪。


「ありゃま。」
「彼女か…。」
教室で、話を聞いてもらった。

「あたし、勝てないよ。」
「ふ〜ん。咲、翔くんのことそんなに好きじゃないんだ。」
穂香が言った。

「好きだよ…!でも、彼女いるんだよ?!無理じゃんか。」
「あそ。
じゃあ、やめなよ。」
いつもより、冷たい穂香。
「ちょっと…穂香?」
世羅は少し、イラついた様子だった。

「好きなら関係ないじゃん。咲がそうだね!って言ったんじゃん。相手に彼女がいるくらいで、やめるなんて…弱すぎる。
好きならとことん、好きでいなよ。
勝負する気ないなら、やめな。」

「穂香…。」
世羅も、同感のようだ。

穂香に助けられてばっかり。
穂香は強いなぁ。


「そうだよね…。あたし、バレンタインに告白する。」
そう決意したのは、バレンタイン1週間前のことだった。




その日、チョコレートの材料を山ほど買って家に帰った。
絶対勝つもん!
綺麗な美鈴ちゃんには、叶わないかもしれないけど。
あたしなりに頑張るんだ!