翔もこの雪、見てるのかな?
教えてあげなきゃ。
と思っても…両手に紙袋。
メールなんて打てる、状況じゃない!


…あの後ろ姿。
翔に似てる。

って…翔じゃん!


「しょっ…!」

誰?
翔は、綺麗な女の人といた。
か…彼女?


あたしは、あの日のメールを思い出した。


『やだねッ(゚・)
ホレないも〜ん☆

翔さ、彼女いんの(^_・)?』

『ホレさす(∀)♪
覚えとけ(´+ー`)

いない☆
つか、別に欲しくない(^^)』


いないって言ってたじゃんかぁ…!
翔の…嘘つき。
バカ。


「咲?」
あたしに気付いた、翔があたしの名前を呼んだ。

「しょ…翔じゃん!」
「久しぶりに会うよな?」
「そだね…!」
彼女が気になるんですけどっ…!

「どうも…。」

!?
声まで可愛い…。

「どうも。綺麗ですね!」
「そ…そんなぁ。」
「あたし、咲です!」
「私は、美鈴です。よろしくね。」
「コイツなぁ〜…」
翔が美鈴ちゃんのことを、紹介しようとした。

嫌だ…!
聞きたくない。

【俺の彼女〜♪】
なんて…。


「あっ!あたし行かなきゃっ!じゃあね!」
翔の声をさえぎって、その場を離れた。

「おいっ?咲?!」
「フフフ。焼きもち…?」
「んなワケねーじゃん。
姉ちゃんに焼きもちなんか、やくかよ。」
「さぁ。
彼女にでも、見えたんじゃないかしら?」
「なに言ってんだよ。
俺の片思いだっつーの!」
「どうかしら?
初々しいわね。」


そんな会話も、耳に入らずに…。